大きい背中

まいど。
人恋しさを寒さのせいと誤魔化していたら
気づけば12月だ。

クリスマスに年末年始とイベント目前。

バタバタとする前に
心の整理をしようと思い、ケータイを握ってみた。
心の整理と言えば察しはつくだろうが
完全に私事だ。なおかつ重い。
それでもコトバにするのは理由がある。
人の目に触れる場所に晒すのにも理由がある。


さて、始めよう。


ちょうど一ヶ月前の11月1日。
父親が亡くなった。

背が高くガタイもよかった父親
入院中の介護も、看護婦さんが2人係でやっと。という感じだった。
それなのに、布団の上で寝ている父親
薄っぺらかった。
いれられた棺はとても小さかった。

こまめに剃っていた坊主頭も
自分でそれなくなってガタガタに伸びて不格好だった。
ヒゲも看護婦さんが剃ってくれていたらしいが
剃り残しが多くて、みすぼらしくなっていた。

私といっしょで、暑がりで体温が高かったのに
久々に撫でた頬は本当に冷たかった。

ふっと目を開けて、阿呆じゃのう〜って
ケラケラ笑いだしそうなのに
目を覚まさなかった。

お通夜の終わった夜。
久しぶりに家族4人、同じ部屋で寝た。
朝起きたら、昔の黄色の家のベットなんじゃないか。
ずっと悪い夢を見てたんじゃないか。と
願うように思いながら寝た。

しかし、現実だった。
起きて1番に鼻をついたのは死臭だった。
なんとも言えないにおいだ。

次に父親の顔を覗いて、本当に現実は残酷だと知った。
鼻と口から血が流れ出ていた。
身内の恥を晒す事になるので詳しくは説明できないが
人が亡くなると仕方のない事らしい。

そう言われても、拭いても拭いても
溢れてくる血が
父親の無念さを語っているようで
本当に胸が締め付けられた。

顔もむくみ、前の晩にみた優しい顔とは
全くちがい、「おブスになっちゃったね〜」って笑ってはみたが苦しくて仕方なかった。

棺に入れる遺品も制限が厳しく
たばことリーバイスのシャツしか入れられなかった。
似合わない花に囲まれて血を流しながら
どんどんと浮腫んでいく顔。
それが最期にみた父親の肉体だ。

火葬の点火のスイッチは母親と兄と3人で押した。
カチッとあっけなく押せてしまい
父親は骨になった。


関節や脚の骨は今まで見てきたものより
遥かに太く大きかった。
それでもやはり骨だけになってしまうと小さい。

骨壷に入れるためと、目の前で
次々と割られていく骨にたまらず
もういいです。小さいのを入れます。と言ってしまった。

骨壷に入らなかった骨の欠片を
少しくすねて海にまこうね、と母親と話していたが
焼けたての骨はあまりにも熱く
まるで父親がもういいよ、触らなくていいよ、と言っているようで持ち帰れなかった。


世界でたったひとりの父親
情けない姿も何度も見てきたが
やっぱり1番強くてかっこいいと思っていた。
父親と手をつないで歩いているとき、
本当に守られている安心感がおおきかった。

そんな人が死んでしまった。
あっけなく死んでしまった。


ブーツの手入れの仕方。zippoの直し方。バイクの乗り方。ジーンズの履き方。
まだまだ教えて貰いたかった。

焼肉。お寿司。あんころ餅。
次、帰った時一緒に食べようねって言ってたのにね。

彼氏できたよ。って話したら
騙されとんじゃって笑って信じなかったくせに
結婚式来る?って聞いたら
そんなに話が進んどるんか?ってちょっとあせって。
「まあ、それぐらい出ちゃろうか」って。
バージンロードも歩く約束したのにね。

来年は成人式よ。可愛い振袖見つけたのに。



「いつまで家族のつもり?」って言葉を
気にしてあんまり連絡してこなかった父親
もしもまだ声が届くなら
ありがとう。より、
お疲れ様。よりも伝えたいのは
「ずっとあみの父ちゃんは、父ちゃんだけです」




まだまだ受け止めきれていないのに
それでも時間は過ぎていく。

学校では忌引の届けを早く出せと催促され
バイトではこの感情を持ち込む事は一切許されない。
馬鹿な男の人にはセックスを誘われる。

でもこれが、私は生きているという証だ。
そう、私は生きている。
これからも生きていく。


父親の分まで、なんて言うつもりも
背負うつもりもない。

ただ、私の生きていくこれから先には
必ず父親が好きだったもの達は関わってくるだろう。
そしてきっとそれは素敵な人との縁を結んでくれると信じている。

空から見守っている。なんて言われるよりも心強い。

だからこそ父親が好きだったものをもっと知ろう。
そして私の好きなものにしてやろう。

そうしたら、私があっちに行った時
苦手な酒を飲ませながら、語り合えるだろう。
もっと分かり合えるだろう。

それを楽しみに生きるのも悪くない。

死後の世界なんて誰にも分からないなら
生きている間ぐらい好きに想像してやろう。






まとまりもない文になってしまったが、
もっと書きたい事もあるが、
これ以上書くとひどくなってしまう。
綺麗にまとめるために嘘も書いてしまうかもしれない。

だからここまでにしておこう。



読んでくれてありがとう。
次の記事こそ音楽ネタをかくよ。

また会おう。

おやすみ。